♯7テノワヤファーム 原 哲也さん さわ乃さん

「まずはやってみる」その一歩が、島の未来を育てていく。
宮古島に根を張るパッションフルーツ農家の挑戦と日々。

「まずはやってみる!!」そんな前向きな言葉がとても似合う、テノワヤファームの原さんご夫婦。宮古島での新たな挑戦として農業に飛び込み、島の太陽と人との縁を味方に、パッションフルーツづくりに情熱を注いでいます。出会いから始まった農業の道。その一歩一歩が、確かに“実を結んで”いることを感じさせてくれる、あたたかいお話を伺ってきました

Interview

●きっかけは「ご縁」から

農業というお仕事を始められたきっかけを教えてください。

「何か新しいことに挑戦したい」と思っていたタイミングで、友人を介してパッションフルーツ農園の後継者を探しているご夫婦と出会ったんです。私たちはそれまでゲストハウスを7年間運営していて、新たな展開を模索している時期でした。正直迷いもありましたが、不思議とご縁を感じて、思いきって飛び込んでみることにしました。

●宮古島最大級のパッションフルーツ農園へ

事業の内容について、教えてください。

パッションフルーツの栽培を中心に行っており、50メートルのビニールハウスが8棟。前のオーナーさんいわく、宮古島で一番大きな農園じゃないかという話もあります。収穫したフルーツは、島内の直売所やイベントなどで販売しています。

●“美味しい”の笑顔が、何よりのやりがい

農業の中で、やりがいを感じる瞬間はどんな時ですか?

やっぱり、一番は「美味しい!」と笑顔で言っていただけた瞬間ですね。
自分たちが何ヶ月もかけて、愛情を注いで育てたパッションフルーツを手に取ってもらい、その味を気に入ってもらえるその瞬間は、言葉では表せないほど嬉しく、胸が熱くなります。
もちろん、売れ行きが良い時も嬉しいですが、それ以上に「人の喜びに繋がっている」と感じられることが、何よりのやりがいです。

●もっと多くの人に届けたい

最近、パッションフルーツの人気が高まっていると感じますか?

はい、私たち自身もそれを強く感じています。宮古島では今、パッションフルーツがマンゴーやメロンに次いで人気の高いフルーツとして注目されています。収穫が年に一度だけという希少性もあり、お値段はやや高めにはなりますが、自分へのご褒美やお土産としてとても好評をいただいています。もっと多くの人にこの美味しさを知ってもらえたら嬉しいですね。この島で得られる感覚や学びは、決して都会では得られないもの。だからこそ、宮古島という場所に根ざして活動を続けていく意味があると思っています。

●南の島の太陽が育てる、最高のバランス

宮古島ならではの強みはどんなところにありますか?

まず、温暖な気候のおかげで、本州よりも1〜2ヶ月ほど早く出荷できるのが大きな利点です。そして、宮古島の強い日差しをたっぷり浴びて育ったテノワヤのパッションフルーツは、甘さと酸味のバランスが絶妙なんです。中身もぎゅっと詰まっていて、食べ応えもあります。
この土地の気候と自然の力があってこそ育つ、まさに“島の恵み”ですね。
もちろん、日々試行錯誤の連続ですし、学ぶこともたくさんあります。でも、それ以上にこの島にいることが心地よくて、ありがたくて、挑戦を続けたいという気持ちにつながっています。

●離島での苦労は?実はあまり感じません

宮古島という場所での農業に、苦労や困難はありますか?

今のところ、宮古島だから大変と感じたことはあまりないんです。ただ、強いて言うなら…やっぱり夏の暑さですね(笑)。特に5〜6月の収穫期は、ビニールハウスの中がサウナのような状態になるので、そこは体力勝負ですね。(笑)ですが、それも含めてこの仕事の魅力かなと思っています。

●居酒屋でも楽しめる“農家の味”

飲食事業も展開されているとお聞きしました。どのような形で農業とつながっているのか教えていただけますか?

はい、「酒場テノワヤ」という居酒屋を運営しています。そこでは、私たちが育てたパッションフルーツを使った料理やドリンクも提供していて、お客様にもご好評をいただいています。農園から食卓まで、自分たちの手で届けられるというのは大きなやりがいですし、食べ方の提案や新たな楽しみ方を発信できる場にもなっています。

●座右の銘は「まずはやってみる」

何か大切にしている言葉や座右の銘はありますか?

「まずはやってみる」。この一言が、私たちの原動力です。最初から完璧にできることなんてないと思っているので、とにかくやってみる。やりながら少しずつ形にしていく。うまくいかないことも、それは「満点の途中」なだけ。そう思えば、落ち込むことなく前を向いて進むことができます◎

●農業とは、“人の暮らしを支える”尊い仕事

あらためて、農業というお仕事をどう捉えていますか?

農業は、まさに“縁”によって出会えた新たな人生の道でした。
実際に始めてみて、これまで気づけなかった農家さんたちの努力や、私たちの食卓がどれほど支えられているかということを強く実感しました。
人が生きるうえで欠かせない、尊い仕事だと今では心から思っています。

●「体験」と「加工品」でパッションを広げること

これから挑戦していきたいこと、目標があれば教えてください。

これからは、もっとパッションフルーツを身近に感じていただけるように取り組んでいきたいです。例えば、年間を通して楽しめる加工品の開発や、農園での受粉・収穫体験など、農業の大変さや楽しさを直接味わえる体験型の取り組みにも力を入れたいと考えています。テノワヤパッションを通して、たくさんの笑顔が生まれるような農家になれるよう、これからもチャレンジを続けていきたいです。私たちテノワヤのこれからの挑戦も、あたたかく見守っていただけたら嬉しいです。

ご自身で育てたパッションフルーツをふんだんに使用した絶品ソースのローストポークや果実味たっぷりの
贅沢パッションサワーなどパッション農家ならではのここでしか味わえない料理やドリンクをぜひ!!



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